[動植物写真展示室]

  room c : ピレネーの鳥と動物
提供者:高野信久('77卒)撮影地:主にフランス側のピレネー山脈
解説:ピレネー山脈で、バードウォッチングとトレッキング三昧の日々を過ごしましたので、その中から何枚か。
 






ピレネーに限らずヨーロッパの野鳥のなかでだんとつのブリッコアイドルと言えば、ヨーロッパコマドリ(ロビン)でしょう。タマゴに楊枝を刺したような愛くるしいフォルムにど派手な色彩。抜群の歌唱力。でもロビンをブリッコたらしめているのは何と言ってもその自意識過剰とも言える行動パターンです。人間を注意深く観察していて、あまり関心がなさそうだと見ると、ぴょんと出てくる。ここでこちらが無視すると、くるりとまわるは、しゃがんだり立ったりするは、オンステージが始まるのです。日本にも近縁種がいて、同じようにすばらしい歌い手で、色彩もど派手ですが、日本のは笹やぶから全然出て来ません。ただ、ひたすらばかでかい声でさえずるのみです。生い立ちの異る姉妹、といったところですか。

撮影地:アスプ地方、アンサベールの谷。撮影日時:2001/9。種:ヨーロッパコマドリ






ピレネーはワシやタカの天国。ま、天国ということは決してないと思うけれども、とにかく沢山いることには間違いありません。大きなヒゲワシやイヌワシも迫力がありますが、そこら辺でパタパタと飛んでいるハイタカやハチクマなんかもいい味を出しています。 写真はチョウゲンポウ。日本にいるものと同種です。岩場のある斜面で目を凝らすと、ホバリングしているのがよく目に入りました。しかし、本当にホバリングは職人技です。たいてい決まった場所でホバリングし、餌を見つけるとちょっと降りてまたホバリング。でも一回降りてまたホバリング、という具合に高度をさげて、最後はえいやっと獲物に飛びかかるという塩梅。でも、餌を逃がして空しくなると電線に止まったりするところが現代風です。

撮影地:アスプ地方・ペトラジェンム峠:2001/9。種:チョウゲンポウ






これはアルパインマーモット。山ネズミロッキーチャックあたりの親類です。油断するとすぐタカに食われるらしくて、まるで呼応するように、こっちのコロニー、あっちのコロニーと「ぴゅー!!」「ぴゅー!!」とものすごい警戒音を出すのが昼間の仕事。よく見ると、見晴らしのいいところに見張りを一匹立てて、まわりで何匹かがごそごそと草を食ってたりするのが目に入ります。最初はガスが出ているときしか出てこないのかと思って感心しましたが、何のことはない、日が照れば照ったで見張り番はぐでっと日なたぼっこしたりしている。ま、それなりの生活を送っている模様です。

撮影地:ガヴァルニー地方、プシャロ峠。撮影日時:2001/9。種:アルパインマーモット






気候のせいと、牧畜業のせいで、一定の高度より上には、結構草原がひろがっています。そういうところでのはツグミ系のジョウビタキの仲間とか、あとタヒバリとかを多く目にしました。これはハシグロヒタキ。やはり標高の高い牧草地では常連ともいえる存在です。ちょうど夏羽から冬羽へ生え換わるところなので、柄は本当に千差万別でしたけれど、なんとなく姿勢とか、こう雰囲気とかで、なんとなく、あ、こいつらだ、ということがわかります。

撮影地:ガヴァルニー地方、プシャロ峠。撮影日時:2001/9。種:ハシグロヒタキ






カモシカのなかまのイザールです。ピレネーではイザールとかイザールドとか言いますが、アルプスにいるシャモワと同じ種類(亜種)です。麓の村の宿とかでは、食堂とかにすぐ首の剥製が飾ってあるので、どういう顔をしているのかよくわかったのですが、目をつらぬいてデビルマンのような縦線が入っていて、なかなかお洒落な顔立ちをしています。ものすごい遠方から撮影した関係でピンボケですが、わかっていただけるかどうか。

撮影地:スペイン・ソンポールト峠。撮影日時:2001/9。種:イザール






これはハゲワシのなかま。コンドルの仲間と言ったほうが通りがよいかもしれません。実は家畜の掃除屋としてピレネーでは結構繁栄している種族です。病気や事故で死んだ牛やヒツジは、直ちにハゲワシネットワークの探知するところとなり、あっと言う間に骨と皮になります。また、その骨を空から落として砕き、骨髄をすする奴(ヒゲワシ)もおり、完璧な仕事ぶり。とは言え。やはり高い岩峰のガスの切れ間から悠然と姿をあらわし、また杳然として去っていく様は、非常に気高いものとして目に映ります。写真は、「へんなのがいるようだが、餌ということはないようだな」とチェックに来たところ。この後、群の二羽を率いて、はるか山脈の彼方へと消えていった。実にかっこいい。鳥葬の何たるかをはじめて理解したような気になりました。

撮影地:アスプ地方、ペトラジェンム峠。撮影日時:2001/9。種:シロエリハゲワシ






えーしんがりはカワガラスの仲間です。カワガラスというのは、実に命名が悪かった。実際、カラスの仲間でもなく、色も真黒というわけでもなく、うるさいというよりは、地味。ずる賢いというよりは、律義で一本気な性格(←僕の勝手な思い入れ)に見受けられるのですが、ただ、カワガラス、と呼ばれるだけで、まるで場末のカラスというか、カラスもどきとしてしか受け取られていないようで大変気の毒に感じます。ヨーロッパのカワガラスは身体がふっくらしているだけでなく、よだれかけなんかして、ちょっとユーモラスに見えますが、アルプスや北部では氷から凍てつく水に飛び込み、川底を歩くという、なかなかいい根性をした鳥です。ただし、飛ぶときも、逃げるときも、絶対川から離れないという律義なところは、日本とものと同じようです。

撮影地:アスプ地方、アンサベールの谷。撮影日時:2001/9。種:ムナジロカワガラス






最後の最後に風景写真を一枚。景色はこんなです。標高はバックの山が 3200m位。寝ているところが 1700m 位。

撮影地:ガヴァルニー地方、見晴平(Plateau de Belle Vue)。撮影日時:2001/9。種:ヒト


 

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