tome I


 

巻頭言

(1946)

菊池部長


太古にして大新なるもの、それは自然のもつ力であり、之を感ずる人間の魂であろう。

可憐なる野菊を愛で偉大なる山容に打たれて、自然の霊気といぶきと、我が魂のそれとが一つになって、我と、自然との大調和を得たとき、我々は此の俗界をさらりと、抜け出して、そして今度は、此の現実を力強く生き抜く力を把握するに至るであろう。そしてその調和の中からこそ、最も正しく此の現実の真姿を見出し、之に対する、自分の進路を明確に握ることが出来よう。

混迷せる現在に於ては、此の事は、特に必要ではあるまいか。自然に親しみ、自然にとけ合ふ。新しく発足する我が山岳部に多幸あらん事を。



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